私に真空脱泡機が舞い降りた!!(第2部)

・真空脱泡機を組んでみた!
・真空脱泡機を作るのに実際に使用したもの全て。
・ためして実験!!

第1部では真空についてとか真空を引くための時間の計算とかのお話をしました。本当に脱泡機を組むだけなら第2部だけみればできるかと思います。

●真空脱泡機を組んでみた!

用意するもの

・デシケータ:V-3P(48L)
・ポンプ:エドワーズ RV8
・その他配管
というわけでここからは私の所有するRV8において配管などの細かいパーツの選び方についてです。

・配管
大変に面倒なのはここもです。2つのプランを用意しました。RV8は吸入口がNW25という規格なので普通のチューブ配管を使用しない方法もあります。私はその方法を選びました。普通にチューブを使用する方はPLAN Bを参考にしてください。

PLAN A
planA

NW25 フレキシブルチューブを使用する方式です。ちょっと高いけど配管も太いし溶剤耐性も高いはずです。チャンバーの取り付け口が細いのが残念で仕方がないです。あと、調べてすぐ出たのも高ポイントです。
ebayを使うともう少し安く抑えられそうですがう~む・・・納期と信頼性を天秤にかけて頼みたいかといわれるとNoだったのでモノタロウで調達しました。

NW25センターリング&クランプ(\2000)
NW25フレキシブルチューブ(\7990)
NW25センターリング&クランプ(\2000)
継ぎ手(メスネジ用)  ALF-1/4-U25A (\7,880)
Rc1/4 to G1/4 変換ジョイント TA271CA-22(\1390)
計 21,056

PLANB
planB
普通の配管チューブを使用します。配管はクソややこしくてブチギレそうでした。テーパーネジと平行ねじがあるのですが表記が新旧入り交じってるしぐぬぬ・・・・

NW25センターリング&クランプ(\2000)
継ぎ手(メスネジ用)  ALF-1/4-U25A (\7,880)

ホースニップル Rc1/4 寸法D 10.5Φmm、HN-7210 (\569) [10.5 mm]

ホースクランプ(\100)
クニロン真空ホース 内径×外径 9×24(Φmm)、1巻(1m) (\2000)
ホースクランプ(\100)

ハイカプラ(プラグ)ホース取り付け用 30PH (\250)[11.3 mm] トラスコ品番113-0251

ハイカプラ(ソケット)相手側取付サイズ R1/4(PT1/4) 20SF(\699)トラスコ品番113-2504

Rc1/4 to G1/4 変換ジョイントTA271CA-22(\1390)

計 12,598

ふむふむ・・・・あれ?普通の配管あんまし安くない・・・・ていうかパーツ多くて面倒。というわけでPLAN Aで行きます。配管長が50cmしかないですけど短い方がベターなのでOKです。
PLANB調べるのクソめんどくさかったのに使わんし・・・・普通のチューブを使う人もこれを参考にしてみてください。合ってるかわからないけどたぶん大丈夫です。。。。。

・その他
配管の他に必要な物を挙げていきます。

必須
・シールテープ

・ポンプオイル
純正品:ウルトラグレード19 4L \6990

・オイル廃棄箱

オプション
・ポンプの台座

・ エースクロス
詰め物の発泡スチロールに巻きます。

★追加のもの
後述しますがデシケータに備え付けのバルブを交換しました。これによりデシケータから出るのがRc1/4になったので Rc1/4 G1/4変換ジョインとは不要になりました。南無。

追加購入物
・アソー 六角ニップル NT-1022 119*3
・パーカーハネフィン 中圧イコノボールバルブ 1,190*2

ニップルは内径を気にします。このサイズのニップルでは最大の内径だと思います。最小直径8mmになります。バルブはボールバルブです。これも内径を気にします。この製品は10mmです。バルブはクルクル回すやつよりハンドル型のが楽でした。他のを買うにしてもフルボアというのを選ぶと良いです。径が太いので。

●真空脱泡機を作るのに実際に使用したもの全て。
まとめです。要らなくなったやつとか省いています。

planA2
・メイン
ポンプ:エドワーズ RV8 27,280
デシケータ:V-3P(48L) 45,000

・配管
NW25センターリング&クランプ x2セット (\2000 * 2)
NW25フレキシブルチューブ(\7990)
継手(メスネジ用)  ALF-1/4-U25A (\7,880)
アソー 六角ニップル NT-1022 (\119*3)
パーカーハネフィン 中圧イコノボールバルブ (\1,190*2)

・その他
ウルトラグレード19 4L \6990
カクダイ シールテープ 5m テープ幅8mm \129

発泡スチロール板 60倍発泡 450×450×厚さ50mm \616
発泡スチロール 100×60×210 (12) ¥3,480
光洋化学 気密防水テープ エースクロス アクリル系強力粘着 片面テープ 011 黒 50mm×20M \500*2
透明シール キッチンシート 40CM×5M 剥がせる中粘度 ¥1,295 ←低粘度でよかったかも

TRUSCO(トラスコ) ルートバンメッシュタイプ 370×500 4輪自在 S付 黒 MPK-500JS-BK ¥3,325
TRUSCO(トラスコ) 75パイ/100パイキャスター用車止め”とめたろう” 2個1組 CH75100-2S ¥631

計 112,353

※注意事項
オイルミストトラップ
NW25エルボ
はポンプに付属していました。エルボも地味に重要なのであって助かりました。

・後悔したこと
排気管の最小内径がニップルの8mmになりました。チャンバーのねじ切りは変えられないのですがフルボアのバルブが10mmだったのでもう1サイズ上げればもう少し太くできたかもしれません。後述しますが内径は重要です。

・まとめ
デシケータが安いのはわかっていましたがポンプ本体も今思うとかなりお得ですね。NW25のエルボとオイルミストトラップは高いのです。ただ、配管とかその他オプションも含めるとその倍かかってますね。デシケータが既製品の鍋型なら10万切れそうです。3Dプリンタや外注での複製費用を考えると意外と安いと言えるのではないでしょうか。

●ためして実験!!

ドキドキ実験タイム!ダヴィンチ!!

何度も書いてるけどおさらい

・ポンプ:140L/m
・デシケータ:48L
真空到達予測時間
10kPa 47s
1kPa 98s
です。

結果は!!!!

D E A T H

すいませんが正確な値はとってなかったんですがおおよそ予想の倍近い時間がかかりました。
OMG!!でもこの結果に至った理由はすぐわかりました。何故なら大気開放する際に 約40秒?←もうちょいかかってたかも もかかる。
お、おう・・・・大気開放おっせぇ・・・・まぁデシケータですし用途が違いますからね。
つまるところ弁の口径が不足しているということです。
先程のパーツリストで弁を変更してたと書いていたのはこういうことです。

弁

右がデシケータ付属品です。え?ほっそ・・・・・
なんと直径2mm程度しかありません。断面積はπr^2なので半径5mmにできるなら断面積は25倍だね!!
流石に弁を変更。だけでは終わらん!デシケータの穴も若干細い!!

デシケータ穴

というわけでインパクトドライバーを用いて10mmの穴に拡張しました。正直怖かったです。間違ってもネジ山潰しちゃだめだゾそんなこんなでパーツ変更して最小径8mmとなりました。

———-再テスト————
成功!!!!

温度:21℃
湿度:40%
5分間の暖機運転後計測

48L 詰め物なし
50kPa :12s[14.5s]
10kPa :44s[47.6s]
5kPa :57s[63s]

22.4L 詰め物あり
50kPa :6s[6.7s]
10kPa :20s[22.2s]
5kPa :27s[29.4s]
振り切れ(1kPa):44s[46s]

※[]内は予測値

だいたい計算通りになりました。なお、ブルドン管真空計は誤差を含みますがそれでもおおよそ合ってると言っていい結果だと思います。
ここまで当たるならこの計算は使用するに値します。流石や・・・・・

さて、「わーい!やったー!」と言いたいところですが少しだけ問題が残っています。
配管抵抗です。
残念ながら配管抵抗の計算はむずそうです。めんどくさくなったわけじゃないです。じゃないです。ちょっと調べた感じ

・基本的に太くて短いのが正義
・ポンプを無限に強くしても配管径(配管抵抗)によって律速される
・できれば最低直径10mm欲しい

直径2mmの時の概算は無かったんですがやべぇくらい抵抗上がりそうな感じでした。そもそもRV8の配管はNW25,つまり基本的に直径25mmを想定しています。なので8mmで性能が出るかはかなり不安でしたがなんとかなりました。どうやら高真空になるほど径が太くないと性能が出なさそうですね(適当)

うおぉぉぉぉ!!ポンプ2台!!「1+1で200だ。10倍だぞ10倍!!」とか言ってポンプ増やしても
配管が細いといい感じに性能が上がらない可能性が高いです。ていうか大気開放より高速には真空引けないのではないかな~~~とか。

 まぁ何がそんなに心配なのかというとみんな大好きBBKの真空ポンプです。やっぱ新品や!!とか言うと自ずとBBKになるんですがアレは吸気管はフレア系になっています。1/4フレアがどう見てもPT1/4より細いのでかなーり危険な香りです。たぶん第1部で他の人の記事を見て「計算と全然チゲェ!!」の最大の要因はこの配管径(配管抵抗)によるものだと思われます。ご注意を。

以上、第2部でした。第3部は実際に複製してみた!という題目の予定ですが普通にワンフェス後になると思うのでかなり先になると思います。真空脱泡機作るだけなら第2部までの内容で十分だと思うので是非参考にしてください。

以下雑まとめ
・排気速度は計算で求まるので事前に計算すること。ちゃんと合う。※第1部参照
・ポンプの排気口径には注意。8mmで平気だったけど10mm以上あると安心。フレア系は細い(かも)なので要注意。
ポンプ選定時から注意すること。

あ、ちなみに未だに微リークが止まりません。テヘペロ☆
びみょーにリークしてるくらいは複製にはあんま影響しませんね!!真空保管庫としては問題ですが。


コメントを残す




次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

トラックバックURL: http://bucho.boo.jp/usual/2045/trackback

Highslide for Wordpress Plugin